「3.11ってなぁに?」
3月の学童クラブスケジュールを見てたずねてきた子がいました。
「大きい地震があった日だよ。」
先ほどの問いかけにそう教えてくれる子がいました。
東日本大震災から6年。
学童クラブに通う子どもたちのほとんどが、当時の記憶がありません。
だからこそ、あの震災を経験し、被災地をこの目で見て、被災した方々のお話を聞いてきた私たちから、子どもたちへ伝えていかなければいけないことがある…そう強く感じるのです。
東とつか学童クラブでは、宮城県石巻市大川小学校で起きたことを題材に、震災時の避難方法や注意事項について、みんなで考え学ぶ場を設けました。
地震はなぜ起こるの?
震度やマグニチュードの違いは?
津波って何?防波堤、防潮堤って?
まずは基礎知識の確認です。
陸プレート・海プレートという言葉を用いて、地震が起こるメカニズムをとても分かりやすく説明してくれる2年生の子。
本を読んで得た知識が活かされているようです。
防潮堤に見立てた桶の中に水を入れ、海から津波が発生して町を襲う実験をすると、
「なるほど、こういうことか!」と地震によって津波が起きる理由にうなずいている様子でした。
そして本題、震災時の避難について。
大川小学校にもし自分がいたらどのように避難するか、意見を出し合いました。
「学校の屋上に逃げる」
…一番近くにある高いところだから。山は土砂崩れの危険がある。
「裏山の一番高いところに登る」
…屋上だと津波にのみ込まれてしまうかもしれないから。
「川に掛かっている橋を渡って隣町に行き、その町の一番高いところに行く」
…この町は高いところがないから隣町に行く。津波が来るまで時間があるから間に合うと思う。
それぞれ理由を添えて自分の考えを発表しました。
避難方法は何が正解か、明確に答えることはできません。
その時々の状況や条件で、その結果が変わってくることがあるからです。
ただ、過去の出来事から学び自分事として捉え考えること、自分の身は自分で守ること、そのことは私たちに必要な防災意識であることに間違いはありません。
プログラム後に「今聞いた話、メモしておきたい!」と自分の防災ノートを作っている子や、「今日もまた話聞きたい!」と同じ話を二度聞きにきてくれる子がいました。
今月は震災プログラムとして、東日本復興支援街頭募金、避難訓練があります。
私たち東とつか学童クラブでは、プログラム以外の日常的な場面においても震災や防災について学び考え続けていきます。
(YMCA東とつか学童クラブ 渋谷 萌子)